士道

 

「殺せるのね?立ち塞がる者、巻き添えになる者の全てを」

 

シーン8 シーンカード:グラディウス▼

GM      :城内では、エレナたちと村人たちが君の帰りを待っている。

GM/クリス  :「へへ、お帰り。もう帰ってこないかもね、って話してたぐらいなのに」

GM/エレナ  :「ふん。……どうせ、そう簡単に死ぬ輩ではないとは思っていたわ。私の血を飲んだのだから」

GM/イメルダ :「……そのわりに、随分落ち着きがなかったな、エレナ殿?いや、無論私と同じく、兄上は絶対に無事だと信じていたのだろうが」

GM/エレナ  :「わ、ったし、は……っ!……ふん……くだらない。いずれにしろ、帰ってきたのだから、同じ事でしょう」

GM/村長   :「して……い、如何でしたか、クラトス殿!」

クラトス    :「みんな聞いてくれ!ランフォード卿が兵を引くことを約束してくれた!」

GM      :村人たちはその言葉に沸き、手をとって喜んでいる。

クラトス    :「ただし、一つだけ条件があるんだ」

GM/イメルダ :「その条件とは?」

クラトス    :「エレナとクリス。それに、ユミルとアルベリック達に教会まで同行してくれというものだ」

クラトス    :……しまった。交渉の席で、「私の一存では決められない。本人達に答えを聞いてからでもよろしいか?」というんだった!(笑)

GM      :もう遅いよ(笑)

GM/イメルダ :「なるほど。父上も、譲歩してくださったか。だが……」

GM/クリス  :「お兄ちゃん、それって……」

GM/エレナ  :「ええ。死ねというようなものね」

GM/アルベリック:「まぁ、まぁ。所詮は下衆の考えつくこと。我等とこやつは、相容れぬ存在であったという事ですよ」

GM/ユミル  :「ガ、ガ……オレ、ダレ、殺ス?オレ、イッパイ、イッパイ殺ス」

GM/エレナ  :「ヨハンナの膝元に行って、無事に帰れるなんて思わない事よ。無謀というか、何というか……」

クラトス    :「ちょっと待ってくれ。確かに敵地に乗り込むのは危険かもしれんが、逆に言えばチャンスでもあるはずだ」

GM/エレナ  :「隙をついてヨハンナを暗殺するってこと?」

クラトス    :「いや、できれば本人がなぜこんなことをするのかを知りたい」

GM      :エレナとクリスは驚いたように目を見開き、アルベリックは額を押さえて嘆息する。

クラトス    :「もちろん、自分がどれだけ馬鹿なことを言ってるかはわかっている。でも、兄弟であるエレナやクリスの命まで狙うんだ。よほどのことだろう。ひょっとしたら、誰かに強制されて、それに抗えない状態なのかもしれない」

GM/アルベリック:「なるほど。つまりあなたは、我々にとって最早確信を得ている事柄についての、あなたの疑問点の解消のために、姫様がたのお命を賭けると仰るのですな」

クラトス    :「確信を得ている?ヨハンナがなぜエレナやクリスの命を狙っているのか知っているのか?」

GM/エレナ  :「……聖血よ。それはあの刺客たちの口からも聞けた事だと思うけど」

GM/クリス  :「ヨハンナはね、もっとたくさんの聖血が欲しいのよ。お母様がもたらしたような、本当の救済をこの世に顕現させるために」

GM/エレナ  :「その不足分は、私たちを殺せば全てではなくとも、一気に補えるわ。無論、あなたも狙われる対象だけどね、クラトス」

クラトス    :「ちょっと待てよ……。本当の救済ってなんだよ?」

GM/イメルダ :「兄上……」

クラトス    :「そんな事のために、実の姉妹を殺すって言うのかよ?……人を殺さなきゃ得られないものが救済なんて呼べるはずないだろう!」

GM/エレナ  :「本当の救済が何かなんて、誰にもわからない。なら逆に、人を殺す事が必要な救済が本当の救済でないなんて、誰にも言えないわ」

GM/クリス  :「少なくとも、ヨハンナはそう信じているみたいね。だって、現にそうしているんだもの」

GM/イメルダ :「……兄上。『話し合えばわかる』という言葉は、『話し合った結果、わかり合えないという事がわかる』という可能性も秘めている。そういう者がこの世にいる事も、大いにあり得る事だ」

クラトス    :「……認めない。俺はそんなものを救済だなんて認めない。この世は苦しみに満ちている。誰もが救いを求めているかもしれない」

クラトス    :「だけど、みんな自分達が幸せになるために抗うことは出来る。でも、一方的な理由でその抗うことを止める権利なんて、誰にもないはずだ!」

GM/エレナ  :「だから私たちは争っている。もう何百年も、姉妹同士で、ね」

GM      :エレナは寂しそうに微笑む。

クラトス    :「ならば決着をつけよう。聖血なんていうふざけた物の為に、殺される者や利用される者を失くすために」

クラトス    :「その為なら、俺はどんな事があろうと前に進み続ける。たとえ弱さを理由に、弱者を切り捨てる者が前に立ちはだかろうとも」

 

GM      :では、具体的にはどうする?

クラトス    :二人がここを出ないというのであれば、村人達の安全だけを保障してもらって、俺達は城に立てこもる。

GM      :なるほどね。

クラトス    :この案が受け入れられなければ、そのときの状況によって、また対応を考えます(笑)

GM      :では、これがGMからの解答というわけではなく、あくまで一NPCからの提案として。

 

GM/イメルダ :「方法の一つだが、敢えて兄上の策を使用する、というやり方もある」

クラトス    :「何か良い案があるのか、イメルダ?」

GM/エレナ  :「それは、どのような?」

GM/イメルダ :「つまり、率直に言えば暗殺だ。まして君らが何人いるかという詳しい内情を、父上も教会の騎士も聞いていないのではないか?」

GM/イメルダ :「――要するに、君等のどちらかを人身御供にして、その隙に近づき、暗殺するというわけだ」

クラトス    :「そうだな。俺が話したのはエレナとクリスについてだけだ」

GM/イメルダ :「――そうか。二人いる事を話していたか。ならば、これも無理だな」

クラトス    :ああ……、第1話で起こったことは全て話したと言ったしな(笑)

GM      :そう言われてみると、そうね(笑)

クラトス    :だから、アルベリックとユミルの存在は知らせてないんだよね。

GM/イメルダ :「まぁ、この場合は行った側の者は、確実に殺されるから、あまりお勧めはできない策ではあったがな」

GM      :イメルダはそう言って苦笑する。

クラトス    :「誰かの犠牲を前程にした策は全て却下だ。却下」

GM/クリス  :「なら、どうするの?」

GM      :で、さっきの段階に戻る、か。

GM      :今の話だけなら、二人はここを出ようとは思わない。このまま二日間を待つ、という事でいいのかな?

クラトス    :ちょっと、待って。なんか方法を考えてみるから。

GM      :そいじゃ、20分間休憩って事で!

 

〜20分経過〜

 

クラトス    :とりあえず、行くとなれば俺とエレナとクリスの3人は絶対な訳だ。

GM      :まぁ、姫が2人いるって言ってしまったからな(笑)

クラトス    :どちらにしろ、二人の存在を隠していたとしても、たぶん途中でもう一人いたはずだろうとなるだろう。

クラトス    :下手すれば、騎士団長は全てを聞いているかもしれない。すぐ気付かれる恐れもあったし、逆に良かったと思う事にしよう(笑)

クラトス    :どうするかなー、俺が命を張って二人を守っている間に、ユミルとアルベリックの二人でヨハンナを暗殺してくれと言ってみるか。

クラトス    :これがダメなら、最初に言ったように、村人の安全を保障してもらって、俺達だけで立てこもるしかないな。

GM      :なるほどねぇ。

クラトス    :他に策の立てようがない気がする(笑)

GM      :うん。基本的に君に有利になるような選択肢は、与えていません(笑)

クラトス    :鬼!悪魔!この人でなしーーー!!でも、好き(笑)

 

クラトス    :「もしも、二人が許してくれるなら俺と一緒に教会に行ってほしい」

GM/エレナ  :「そ、それは――」

クラトス    :「俺はどんな事があろうと、俺の命がある限りお前達を守る。だから、俺と一緒にヨハンナの目を引き付ける囮になってくれ!」

GM/クリス  :「…………本当に?本当に、何があっても、絶対に、私達を守ってくれる?例え、誰が敵になっても、迷わずに戦ってくれるの?」

クラトス    :「……正直、まったく迷わないという自信はない。だけど、エレナとクリスの命を狙ってくるのであれば、誰であろうと俺は戦う」

クラトス    :「戦ってエレナとクリスを守る。それが、俺が君達にして上げられる唯一のことだから……」

GM/クリス  :「……お兄ちゃん……」

GM/エレナ  :「――バカね、本当に。……ならばクラトス。供をなさい」

GM      :エレナは君の目を見ず、だがどこか嬉しそうにそう言うと、支度の為か自室へ戻る。

クラトス    :「……ありがとう」

GM/クリス  :「ユミル、ここでお留守番しててね?私はお兄ちゃんが守ってくれるっていうから」

GM/ユミル  :「ガ、ガ……オレ、シンパイ。アイツ、ヨワソウ。デモクリス、待テイウナラ、オレハ待ツ」

GM/クリス  :「じゃ、私の事はちゃんと守ってね?私のナイトさん」

クラトス    :「ユミル、ありがとう。ああ、今日から俺はエレナとクリスのナイトだ。必ず守り抜いてみせるよ」

GM/ユミル  :「クリス怪我スル、オレ、オマエ殺ス。オマエ挽肉、グチャグチャ。ダカラゼッタイマモレ」

クラトス    :「ああ、必ず守るよ」

GM/イメルダ :「さて、では私も支度をせねばな」

GM      :イメルダも、旅支度をまとめに自室へ戻る。

クラトス    :「イメルダ、お前は父上と一緒に帰るんだ」

GM/イメルダ :「何をバカな事を。兄上が行くというのに、私が行かぬわけがあるまい。そもそも何故、私がここにいると思っているのだ?」

クラトス    :「ダメだ。これ以上、私に親不孝をさせないでくれ。このうえ、お前まで巻き込んだら父上になんとお詫びすればいいか……」

GM/イメルダ :「後悔する余地があるぐらいなら、最初から親不幸などせぬことだ。諦めるのだな」

クラトス    :「うっ!い、痛いところをつく」

GM/イメルダ :「それに私は、兄上と添い遂げると決めている。止めても無駄だぞ?」

クラトス    :「ば、馬鹿!冗談でもそんなこと人前で言うんじゃない!」

GM/イメルダ :「……それに、こと戦いとなれば、恐らく兄上よりは躊躇なく敵を撃てる女だよ、私は」

GM      :イメルダは、そのまま旅支度をまとめに行ってしまう。

クラトス    :「あ、イメルダ!話はまだ……相変わらず人の話を聞かないな……。仕方ない。道々説得するとしよう」

クラトス    :自分が根負けする方に一票(笑)

GM      :うん、まぁ、無理だと思うよ(笑)

クラトス    :じゃあ、村人達にお礼を述べて、村人達は戻ってもらうとしよう

GM      :では、シーン終了。

クラトス    :グラディウス▼受領。ルナ返却。

 

 

シーン9 シーンカード:フルキフェル▼

GM      :約束の日。城門前には、ルーカスと教会の騎士団長が並んでいる。

GM/ルーカス :「返答をお聞きしたい」

クラトス    :「行きます。ですから、約束どおり村人達には手出し無用に願います」

GM/ルーカス :「承知した」

クラトス    :「ありがとうございます」

GM      :では、君たちはルーカスたちに連れられ、騎士団と合流する。

GM      :ランフォード家の騎士団は、君等に対し同情的な視線を向けている。

GM      :また神聖騎士団は、当然のように全員に大して冷たい視線を送っている。

GM/ルーカス :「では、出立しよう」

クラトス    :「はい」

GM/クリス  :「へぇ、本当にお兄ちゃんにそっくり。変な感じー、髭なんて生やしちゃって」

GM      :クリスはルーカスにじゃれ付き、ルーカスは困ったようにそれを払えず、髭を弄られている。

クラトス    :「クリス、その辺にしておいてあげてくれないか?ち……るカス殿が困っておられる」

GM/エレナ  :「何事もなければ、いいけどね……」

GM      :騎士団は出発し村を離れる。

GM      :知覚で判定してくれ。

クラトス/ダイス:2d20=36(16,20)

クラトス    :余裕で失敗でございます(笑)

GM/クリス  :「ちるカス?おじさん、ちるカスっていうの?変な名前ー!」

GM      :クリスは大きな声で笑い、ランフォード家の騎士団からも笑いを堪える声が聞こえてくる。

GM      :もっともイメルダは、誰憚る事なく大声で爆笑しているのだが……。

クラトス    :「揚げ足を取らないでくれ。これは、俺の上位自我が……」(笑)

GM      :失敗か。では君は、騎士団の誰かが「それじゃチ○カスじゃねーか」とボソッと呟いたのに気が付く(笑)

クラトス    :「誰だ。いま、ルーカス殿を侮辱したものは?誰だといっている!」

GM/イメルダ :「アーハッハッハッハ!領主様のお名前はチ○カス・ランフォード様か、良いこと言うじゃないか!」

クラトス    :認めたくないものだな……若さゆえの過ちというものは(笑)

GM      :そのまま、騎士団は爆笑に包まれる(笑)

GM      :エレナも、顔を赤くして背けてはいるが、笑いを堪えているようだ。

GM      :こうして道中は、殺伐とした本性を隠したまま、ヨハンナ枢機卿の待つバルヴィエステへと向かっていった。

GM      :シーン終了。

クラトス    :フルキフェル▼受領。グラディウス▼返却。

 

※戦闘について

今回でのセッションでは、戦闘がない。

GMの予定とは違う流れに進んだことで、登場予定の殺戮者にとっての利害関係も変化した。

ここで戦う事よりも、クラトスたちを放置した方が利益になると判断したためだ。

なおルーカス、騎士団、従卒に至るまで、きちんと戦闘データを設定していた。

ちょっと寂しいが、これがGM稼業ってもんだよな……(笑)

 

 

エピローグ

GM      :教会の直轄騎士団を率いてきた団長は、歓談するその輪から、一人外れていた。

GM      :彼の元に降り立ったのは、伝令用の鳩。その足には、書状がくくり付けられている。

GM/神聖騎士 :「……ふむ。なるほど。では……」

GM      :彼が返答に書いた書状を携え、鳩は再び飛び立つ。

GM      :彼等の後方、ヴァルプルギスの古城へと。

GM      :鳩を操っていた男はその返答に目を通しつつ、この城での仕上げにかかろうとしていた

GM/男    :「ああ、よく来てくれましたね。あなたに、一つお願いしたい事がありまして」

GM/巨人   :「ガ、ガ……ナンダ?」

GM/男    :「いえ、ちょっとした点検ですよ。クリス様がいない今、私があなたの調子を見なければなりませんので」

GM      :そう言って男は、巨人の背後に回る。

GM      :その指先には、怪しく光る緑色の光。

GM      :男の指が巨人の背に不可思議な文様を描いた途端――。

GM/巨人   :「グッ!?ガァァァァァアアア!!」

GM      :巨人の咆吼が古城に響く。

GM/男    :「これで準備は整いました。予想よりあっさりと、姫様がたを連れ出していただいて、感謝しておりますよ」

GM      :巨人の背には、怪しげな光を放つ文様――かつてカスパーに刻まれた、魔印と呼ばれたそれが煌々と輝いている。

GM/男    :「下衆のやる事にしてはね。ねぇ、クラトス殿――」

 

 

第三話

士道





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