士道

 

「殺せるのね?立ち塞がる者、巻き添えになる者の全てを」

 

GM      :では、最初の鎖とシーンカードを。

クラトス    :最初の鎖はウェントス。シーンカードはエルス

 

 

シーン1 シーンカード:エルス

GM      :先日の襲撃より数日後。体調を崩していたエレナも、ようやく調子を取り戻す。

GM      :今は夜。いつもの面々が、食卓に顔を並べている。

クラトス    :「エレナ、この後話があるんだけど良いかな?クリスにも一緒に聞いてもらいたいんだけど良いかな?」

GM/エレナ  :「ええ、構わないわ」

GM/クリス  :「なになに?」

クラトス    :「うん。エレナもだいぶ元気になったみたいだし、そろそろ俺はここを出ようと思う」

GM/クリス  :「えー、行っちゃうの?」

クラトス    :「出て行く前に、聞きたいことがあるんだ。……ヨハンナという、君達と同じ聖血を持つ者のことについて」

クラトス    :「そして彼女が動かしている、君達を狙う組織について、知っている限りのことを教えてもらいたい」

GM/エレナ  :「……そう。ヨハンナの……姉様のこと、聞いたのね」

GM/ユミル  :「ガ、ガ……オレカ?……エレナ、ゴメン」

GM/エレナ  :「まぁ、いいわ。……それで、前の繰り返しになるけど、聞いてどうするの?」

クラトス    :「止める。彼女を放って置けば、泣かなくていい者が泣くことになる。それに私は君達を助けたい」

クラトス    :「命を救ってもらったからというのも確かにあるが、それだけじゃない」

GM/エレナ  :「そう。それじゃあ……」

GM/エレナ  :「あなたは、殺せるのね?ヨハンナの前に立ち塞がる無数の人々を。泣かなくていい者の涙を止める為に、それ以外の無数の人間を泣かせられるのね?」

GM/エレナ  :「ヨハンナは今、教会の奥深くまで己の勢力を伸ばしている。表の顔は、枢機卿にまで登り詰めている」

GM/エレナ  :「彼女を止めるのに、言葉は無意味よ。ならば必ず、命のやり取りになる」

GM/エレナ  :「あなたは、殺せるのね?その前に立ち塞がる者、そしてあなたの行動の為に責任を負わされる人達を」

クラトス    :「それは……正直に言えばわからない。自分のこれからやろうとすることが絶対に正しいともいえない」

クラトス    :「自分が進む事によって後悔する事があるかもしれない。或いは今の俺の選択が間違っているかもしれない」

クラトス    :「だが、俺は歩みを止めるわけにはいかない。俺は騎士である時にも、悩んだ」

クラトス    :「大を生かす為に小を切り捨てる。それは人の上に立つ上でもっとも正しく、必要とされている事だろう」

クラトス    :「だが、その小とはいつも力のない弱い者たちだ。弱ければ生きていてはいけないのか?」

クラトス    :「では騎士とは何だ?弱い者を、領民を守っての騎士ではないか?こう聞いた時、父上は違うと答えた」

クラトス    :「騎士とは領民を守るものにあらず、領地をひいては国を守るものだと」

クラトス    :「だから、私は騎士を続ける意味を失ってしまった」

クラトス    :「力なき者を守ろうと志し騎士を選んだのに、私の理想を追求するためには騎士であり続ける事が出来ない」

クラトス    :「ならば自分の信じる騎士となろう。自分の騎士道を貫こう。弱者を守り、踏みつける者には拳を向けよう」

クラトス    :「そのためならば、自らの手がたとえ血に濡れようと、私は躊躇わない」

GM/クリス  :「……くすくす。じゃあ――『弱者を踏みつける者に従う弱者』は、殺せるんだね?お兄ちゃん」

 

クラトス    :一番痛いところ突かれた(笑)

GM      :いや、エレナたちが聞いているのは、前回からずっとそこだからさ(笑)

クラトス    :できると答えるのも躊躇われるんだよな。それをやってしまうと面白さが半減してしまう(笑)

GM      :まーね。

クラトス    :それをはっきりいえるのなら、この先迷いも躊躇もなく敵を倒せると言うことになってしまうからな。

         

GM/エレナ  :「おやめなさい、クリス。……わかりました。では、お話しましょう」

GM/エレナ  :「ヨハンナは、私の血を分けた姉。我々一家の長女」

GM/エレナ  :「最も濃く聖血を受け継ぎ、救世母マーテルの教えに従い、衆生を救う為にその身を捧げ続けた聖女」

クラトス    :「……そうだったのか」

GM/エレナ  :「でも衆生が求める救いは、彼女の聖血では足りなかった。そして衆生が求める救いは、際限がなかった」

GM/エレナ  :「いつしか聖血による救いすら、争いの原因となっていった……」

クラトス    :「その聖女がなぜこんな真似を……まして君とヨハンナとは、血の繋がった実の姉妹なんだろう?」

GM/エレナ  :「我々は絶望した。聖血では人を救う事などできない。しょせん聖血とは、どれだけ神聖でも物質にすぎない」

GM/エレナ  :「物質でもたらされた救いは……さらなる欲望を生み出すだけだった」

GM/エレナ  :「やがて我々はこのヴァルプルギスの地で隠棲し、ヨハンナは一人希望を求めて救世の旅路に出た」

GM/エレナ  :「……でも、ある日聞いた話は、とても信じがたいものだった」

GM/エレナ  :「ヨハンナの聖血で救われた者たちが、覚める事なき永久の眠りについていると」

GM/エレナ  :「その真偽を確かめにいったエルンスト兄様は――そのまま、帰る事がなかった」

GM/エレナ  :「以来、私たちはヨハンナに命を狙われているわ。目覚める度に、刺客が放たれている」

クラトス    :「……それで、クルツの時も……」

GM/エレナ  :「ええ。そのため苦しむ人がいても、迂闊に外に出られない」

クラトス    :「だがヨハンナによる救い。それは死んだということではなく、本当に眠っているだけなのか?」

GM/エレナ  :「ええ。生命は維持し続けているそうよ」

クラトス    :「……そうだったのか」

GM/エレナ  :「以上が、私たちの知りうる情報ね」

クラトス    :「なら、やっぱりもう終わらせよう。聖血の為に血が流されることを止めるのも、俺にとって大切だけど……」

クラトス    :「エレナとクリスがもう、狙われる事がないように……普通の女の子として生きていけるようになる為にも」

GM/エレナ  :「……そう。それで、いつ出発するの?」

クラトス    :「明日、ここを発つことにするよ。ぐずぐずしては、いられないからね」

GM/クリス  :「えぇーー!どうせ死ぬんだから、もっとゆっくりしていけばいいのに!」

クラトス    :「こらこら、縁起でもない事を言うんじゃない」 と、額にチョップ(笑)

GM/クリス  :「ぅうー。もう、知らない!」

GM/エレナ  :「……せいぜい長生きする事ね」

GM      :シーン終了

クラトス    :エルス受領。

 

 

シーン2 シーンカード:アクア▼

 

ヨハンナ枢機卿の居場所を求め旅立つも、手掛かりがなくては目指す場所さえわからない。

情報屋を捉まえたり、教会で話を聞くが……判定に失敗した事もあり、有力な情報は得られなかった。

最終的にクラトスは、勘当された実家の父のツテを頼って、ヨハンナの元へ辿りつく手段を模索する事とする。

 

 

シーン3 シーンカード:アダマス

GM      :君が実家に帰る途中、ヴァルプルギスからの行程も、残すところ1/4ぐらいとなった辺りの町。

GM      :帰りの行程は、ここまででおよそ3週間旅していた、と思ってくれ。

クラトス    :はい。

GM      :宿をとったその町で、見慣れぬ一団と、よく見慣れた一団の双方を目にする。

GM      :見慣れぬ集団は、重武装に身を固め、甲冑や盾に真教のシンボルを刻印した騎士団。

GM      :見慣れた集団は、同じく甲冑をまとった騎士団に従卒たち。ランフォード家の騎士団だ。

クラトス    :「(これは……狙いは聖血以外にない!まずい、いくらユミルが強くても、一人では……!)」

GM      :真教の神聖騎士団は騎兵20人ほど、ランフォード家の騎士団は、騎兵10に従卒40というところだ。

クラトス    :ヴァルプルギス地方に向って、進軍しているということだよね?やべぇー!

GM      :方向的に、恐らくそうだろう。この町は中継点に過ぎないようだ。今日は、この町に駐留するようだ。

GM      :騎士団の輪の中では、騎士たちに休憩時の指示を出している君の父、ルーカスの姿も見える。

クラトス    :「(それに、ランフォード家の騎士たちまで。お家とりつぶしは免れたようだけが……そのかわりの出兵か)」

GM/???  :「やぁ、お尋ね者君」

GM      :物影から騎士団を伺っていた君の背後から、低く落ち着いた女性の声がする。

クラトス    :「(なんとか、人目のつかぬところで父上と話をしたいが……)」

クラトス    :「誰だ!?」

GM/イメルダ :「実の妹に向かって誰だ、とはご挨拶だな兄上。……私だ、イメルダだ」

GM      :そこに立っているのは君の実妹、イメルダ・ランフォード。

GM      :有力貴族との婚約を勝手に破棄し、錬金術の研究にのめり込んでいた妹だ。

GM      :年齢不相応な落ち着いた態度と声と知性をもった、外見とは裏腹に実に可愛げのない少女だ。

クラトス    :「イメルダ!?なんだって、イメルダがここにいるんだ?」

GM/イメルダ :「それは私の台詞だ。なんでも辺境では大変なご活躍だったそうではないか?」

クラトス    :「うっ……それは……」弱いぞ、俺(笑)

GM/イメルダ :「『ランフォード家嫡男が教会の使者を闇討ちし、ヴァルプルギスで反乱を企てている』」

GM/イメルダ :「……私はそう聞いているが?」

GM      :天眼鏡(錬金術による眼鏡)の奥から、冷たい視線を送ってくる。

クラトス    :「いや、それは根も葉もない嘘だ。イメルダや父上だって、俺がそんな大それたことを考える奴じゃないってわかるだろう?」

GM/イメルダ :「当然だ。兄上に、そんな甲斐性はない」

クラトス    :「いや、教会に背いたのは事実だが。というよりはヨハンナ枢機卿に背いた、というほうが正しいか」

GM/イメルダ :「ヨハンナ枢機卿?……よくわからんが、まぁ、いい。ならば私が、兄上を一生養っていこう」

クラトス    :「……え?」

GM/イメルダ :「なに、問題はない。父上は結婚結婚とうるさかったが、元々兄上以外の男に興味はなかった。さ、行こう」

GM      :イメルダは君の腕をとり、歩き出す。

クラトス    :「ダメだ。それはできない。俺はあそこに戻らないと……戻って、エレナやクリスたちを助けないといけない」

GM/イメルダ :「エレナ、クリス……?誰だ、それは」

クラトス    :では、出来るだけかいつまんで、今までのことを説明します。

GM      :イメルダは暫く考え込み――。

GM/イメルダ :「――チッ。あんな辺境まで行って何しているかと思えば、子娘に駄フラグ立てて悦んでいたとは。大した俗物ぶりだな、兄上も」

GM      :小声で呟く。

クラトス    :「妹よ。お前はたまぁに、オニイチャンにはよくわからないことを言ってるぞ」

GM/イメルダ :「どうした兄上?私は考え事をしていただけだが……空耳でも聞こえたのか?」

クラトス    :「いや、お前は昔から考えていることを呟く癖がある。直した方がいいぞ、その癖は」(笑)

GM/イメルダ :「そうか、聞こえていたか。兄上は案外耳がいいな」

クラトス    :「ところで、イメルダ。父上は怒っていたか?今俺が父上に会って、話は聞いてもらえそうかな?」

GM/イメルダ :「兄上はどう思うんだ?父上がどう思ってらっしゃると思う?」

クラトス    :「まあ、怒っていない筈がないな」

GM/イメルダ :「ならば、私に訊くまでもあるまい」

クラトス    :「……やっぱりそうか。ならば仕方ない、急いで戻ろう。そして、エレナ達を連れて逃げなければ……」

クラトス    :「イメルダ、お前は父上の元に戻れ。そして、俺に会ったことは内緒にしておいてくれ」

GM/イメルダ :「兄上は、私が何の為にここまで来たと思っているのだ?」

クラトス    :「何のためにだ?そういえば、最初に聞いたのに答えてもらってなかったな」

GM/イメルダ :「決まっているだろう?」

GM      :そう言って、さきほどから掴んでいる君の腕を、身体に密着させる。

クラトス    :「……?」 本当にわからないと言う表情。

GM/イメルダ :「兄上が心配だから、いてもたってもいられなかった。そんな事も、言葉にしなければ伝わらないのか……?」

クラトス    :「バ……!いや、馬鹿は俺か。すまない、心配をかけて。これじゃ、立場が逆だな」

GM/イメルダ :「それに、行ってどうするというのだ?ヴァルプルギスにいるのは、吸血の魔物と聞いている」

GM/イメルダ :「兄上の話から判断すると、それは嘘の情報なのだろう。だが、それとて同じことだ」

GM/イメルダ :「しょせん他人。まして兄上はランフォード家を勘当されている。あの地に何の関係もない」

GM/イメルダ :「身の潔白も、自衛も、自分たちにやらせればいい。人は己が身を、己自身で守るものなのだから」

クラトス    :「……関係なら、ある」

GM/イメルダ :「どんな関係が?」

クラトス    :「俺はエレナに命を救われた。そして、俺は聖血によって起きる争いを止めると誓った」

GM/イメルダ :「……愚かだな、兄上は」

GM      :イメルダは大きくため息をつく。

GM/イメルダ :「そんなだから、幾つになっても放っておけないのだ。……なら、ついてくるといい。いい乗物がある」

クラトス    :「そんなにバカバカ言わないでくれ。ちょっぴり傷つくぞ」(笑)

クラトス    :おお、デクストラ!

クラトス    :「良い乗り物?」

GM      :そこには、鋼鉄製の『馬っぽい何か』が置いてある。

GM/イメルダ :「『蹂躙車』という。これなら、馬と違って疲れる事がない。少しは時間が稼げるだろう」

 

※蹂躙車

追加データとして登場したアイテム。錬金術で造られた、いわゆるバイク。

デクストラの技術たる錬金術は、科学技術を司っている。

この蹂躙車は世界観をぶち壊すことこの上ないアイテムだ。

だが、既に基本ルールブックで銃やら手榴弾やら人造人間やらがいる以上、些細な問題だろう。

 

クラトス    :「イメルダ!ありがとう!本当にありがとう!お前は、俺にはもったいない最高の妹だ!」

クラトス    :と、抱きしめた後でガクガク揺さぶる(笑)

GM/イメルダ :「兄上……」

GM      :イメルダは、頬を上気させて君を見詰める。

GM/イメルダ :「……揺らすな、バカもの。……全く、兄上はいつまで経っても子供だな」

GM      :イメルダはその操縦席に乗る。

GM/イメルダ :「しっかり掴まっていてくれ」

クラトス    :「わかった」

GM      :轟音と共に、蹂躙車が走り出す。馬より速く、疲れる事なく――。

GM      :遠きヴァルプルギスの地まで、ほぼ半分の時間で到着できた。

GM      :シーン終了

クラトス    :アダマス受領。アクア▼返却。

 


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