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美 食 の 探 求 

札 幌 編

 

 20054月より札幌に転居したため、今後の美食探求は札幌にて行われる。

 札幌といえば味噌ラーメンという印象が強かったのだが、最近ではスープカレーがメインのようだ。

 ここではそのスープカレーを中心に、私が感動した店を紹介していきたい。

 

・ピカンティ

 行列必至の有名店。ここのスープと野菜は凄い。スープ・野菜・肉・米、どれもハイレベルにまとまっている。バランスにおいて、他の追随を許さない最高の店(と私は思う)。

 スープカレーは大体8001,000円と単価が高めで、その分恐ろしいほど具沢山である。肉や野菜もカットされているとはいえ非常に大きく、食べ応えがある。

 このピカンティの野菜は数あるスープカレーの店でもトップクラスに美味い。私の文章力ではとても表現しきれないほどの味だ。もはやライスすら不要と言い切れるほどの味わいがある。

 メインの具材は鶏・豚・羊肉と豆腐、海老、野菜増量等さまざま。チキンがメインのようだが、一押しは羊肉である。これが、おそろしく柔らかい。野菜で目から鱗が数十枚単位で滝のように落ち、羊肉で新しい世界へ旅立ってしまうほど美味かった。このときばかりは、バカ料理マンガのリアクション(ミスター味っこ他)を笑えない気分になった。

 カレーという料理に対する一つの回答である、とすら言えるカレーである。札幌在住でまだ食べてない人は、人生損している。

 近所には系列店のボイジュがあり、味は多少違うと思う。私はピカンティの方が好みだが。

 

・村上カレー プルプル

 狸小路を西方向に抜け、9丁目にあるビルの地下のお店。

 平日のランチタイムは結構安い値段で提供しているようだ(行った事がないが)。

 ここのお勧めは納豆。納豆カレーといえばここ、という紹介を見たので、迷うことなく選択する。ナット挽肉ベジタブル、というメニューを食べたが、これも新しい食感であった。個人的な好みとしてはピカンティに軍配が上がるが、ファンは病みつきになるだろう。ピカンティに比べると日本的というか、ピカンティを『カレーを使った料理』とすると、村上カレーは『カレー』である、という印象。それも南アジア系というより、和風。激ウマの給食カレーというか、何とも庶民的な親しみ易さを感じる味だった。

 ライスの盛りが結構凄くて、私は中盛りが限界だった。普通の店の大盛り以上あるぞ、あれは…。ちなみに、横のお客さんが大盛りを食べていたが、正直見てるだけで胸焼けがした。大食いの店ではないという事は一応断っておく。

 色々斬新なメニュー開発を行っているらしく、土曜にはスペシャルメニューを用意する時もあるらしい。また同系列でデストロイヤーという店もあるが、こちらはまだ行っていない。

 

YELLOW

 札幌駅南口側、西武と東急百貨店の並びの通りを、東に直進、橋を渡った先にある。

 方向性はピカンティ・ボイジュ系か。『カレー料理』的な印象がある。メニューとトッピングの選択肢が比較的少ない印象がある。サフランライスが標準なのもポイント高い。

 この店も野菜が美味しいという評判を聞いて訪問したが、確かに野菜はかなりのレベル。私的には野菜に関してはピカンティに匹敵するものがあると感じた。特にカボチャに限定すれば、ピカンティ以上。しかし肉で一歩、スープは好みがあろうが、やはり一歩劣るか。いずれにしろかなりレベルの高い店である。…というか、最初に食べたピカンティのレベルが高すぎたのだ。この店も非常に美味しい店である。

 

・スリランカ狂我国

 スープカレーを代表する店の一つという事で、何度か勧められた事のあった店。

 メニューにはタイムサービスで700円以下のカレーもあり、なかなかリーズナブル。

 初の来訪でいきなりだがスリランカスペシャル(トッピング全部入り)を食べる。

 溢れんばかりの具だが、なかなか。特筆するほどの物ではないが、さりとて決してレベルが低いわけではない。

 しかしスープは確かにすごい。辛さが100番まで選べ、2050がお勧めとあったのだが…正直、私は20が限界だ。えらい辛いのだ、これが。

 だがその辛さも、食べれば食べるほど苦にならなくなり、すいすい入っていく。何より、ライスと一緒に食べた瞬間、辛さがライスの甘みと絡まって、絶妙な味を生み出す。

 ことライスとスープの相性では、抜群。その点ではピカンティを上回る味である。

 こと札幌駅から遠いのと、私にはちょっと辛すぎたのが難点である。もう少し近ければ、間違いなく通いつめる店になるのだが。

 

     スリランカ狂我国・再食

 スリランカ狂我国に最近嵌まっている。いや、遠いのよ、本当に。車持ってないから、自転車で20分近くかかるし。だが、それを補って余りあるおいしさ。

 辛さ20番で限界だの辛すぎるだのとは、よく言ったものだ。今では50番が当たり前になってしまった。

 辛くなるほど美味い。またまた通ぶっちゃって、などと思うかもしれない。だが、本当の事なのだ。辛くするほど、おいしいと思えるのだ。

 これはもう、ピカンティすら抜いてしまったかもしれない。そのぐらいの嵌り具合だ。

 支店で“きたぐに屋”という店が比較的近所にあったそうなのだが、残念ながら店をたたんでいた。ここが存続していれば、非常に便利だったのだが…。

 

・ベンベラ・ネットワーク

 酸味が強く、個性的なスープカレーを提供している。

 最初に訪れたときは、「あれ、大した事ないぞ?」と思ってしまった。

 ライスには目玉焼きが載っており、カレーの具もきしめん等変わったものを入れている。

 店が非常に狭く、一度に10人も入れないため、常時行列。米国のBarをイメージしたような内装は壁中にステッカーが貼ってある。こうした内装が平気な人はいいだろうが…私はダメだった。

 平日の13時頃でも並んでいるので、行くときは時間についてはある程度覚悟が必要だが、それに見合う満足は与えてくれるだろう。

 …内装が平気なら、ね。

 

 

・三代目 月見軒(ラーメン)

 味噌ラーメンの老舗。東京で味噌ラーメンを食べても、どんな有名店でもしっくりこなかった。どうにも、ただスープに味噌を溶いただけ、という印象の味噌ラーメンもどきがほとんどだった(というか、そもそも東京で味噌ラーメンはマイナーなので、あまり扱ってない)が、ここは大満足のレベルであった。

 東京の味噌ラーメンはスープの底に味噌その他スープの残骸が砂利のような状態で残っているが、ここはしっかりとスープに溶け込んでいる。これですよ、これが味噌ラーメンですよ。

 麺はこしが強いちぢれ麺、スープはこってり目。デフォルトで玉子もついてくるのがありがたい。いつもトッピングで玉子を載せる私にとって、デフォ玉子はかなりポイント高い。

 札幌の超有名店、純連も食べてはみたが、月見軒の方が圧倒的に好みだね。純連は、どうにもスープが砂利っぽすぎる。まぁ、この辺は好みの問題だろうが。

 札幌駅から程近くと、あと家から割と近く(北34条)にあるのもありがたい。

 札幌味噌ラーメンの、私的頂点に君臨している店だ。